Leeの特別支援教育
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  サトくん       

その13

作・高田あや   編集・Lee

 サト君が初めてのお給料をもらいました。また、ガイドヘルプサービスを利用していろんなところに出かけるようになりました。


おもな登場人物

主人公・次男のサトくん  長男のまこっちくん ママ    パパ(せんべいさん) 
   
 
 バスで事件
 
サト君はドライアイスに水を入れるのがすき
 金曜日の朝のことです。
 連絡帳で知ったんですが、サトがバスの降車ボタンを3回も押したそうなんです。誰も降りないので、3度目に運転手さんに怒られたそうです。

 たまたま保護者会に行くお母さんがいらっしゃって、一緒に謝ってくれたそうですが、これを聞いて、私はビックリ!私と乗っている時は気にしたこともないんです。
 でも、ボタンやスイッチが大好きで気になるサトのことだから、やりかねないのは確かです。

 連絡帳を見たあと、サトに「バスのボタン・・」と言いかけたら、サトは手で大きく×を作って「バスのピンポン押したらダメ〜〜!」と大きな声。みっちり教えられたようですね。

 外でのトラブルは少ない方なので、久々に事件でした。その後は押していないようです。
(2003年04月14日)
 
  作業日

 子どもじゃなくて、親の作業日です。
 授産品って園生が作ったのだけではなくて、親が作ったのもあるんです。これ、常識!
 ここの園生の作品はなかなか良くできていますけどね、手の込んだものを親が作ってあちこちのショップに置いているそうです。
 売れるとサトたちのお給料に反映されます。親も頑張らなくっちゃ!の世界です。

 これは保護者会の文化部の活動です。作業は全員が協力する事になっています。
 私は一回目の保護者会を欠席したので、今日は他の用事を代わってもらって作業をしてきました。

 久しぶりに刺繍針を持ちました。作ったのは「キティの招き猫」マスコット。おもしろいでしょ?顔だけキティ、体は招き猫・・といっても招いてはいないんですけどね。どこかで見たら、私が作ったものかもしれません。よく売れるんだそうですよ。でも、意匠権が心配。大丈夫でしょうか?

 9時半からお昼をはさんで2時半まで、正味の作業時間は3時間ほどでしょうか、招き猫一つと頭半分作りかけで初日は終了。久しぶりで楽しかったですよ。先輩方の色んな話を聞けたし・・

 でもね、同じ育成会員ですけど、保護者会にのめりこみすぎて育成会のほうをおろそかにすると情報から取り残されますね。
 嫌で苦になって仕方がなかった支部長の仕事だけど、みんなより格段に福祉情勢についての知識があるわ。
 園のことについてはさっぱりですけど・・。やっぱり、バランスが大事です。 (2003年04月25日)
連休最後の日、せんべえさんと須磨アルプスに山歩きに行きました。

 ○のつく言葉

 テレビで頭に○のつく言葉を当てるというクイズを見ました。サトにやってみたの。
 「頭に『た』のつく動物は?」「頭に『か』のつく虫は?」「頭に『た』のつく野菜は?」・・いろいろやってみました。全部言うことができました。
 こういうの理解できるんだわ。日頃試してみないので、サトの能力を過小評価することがままあります。時々はいろんなクイズを試してみようかな?

 ちなみに、サトが考えた『た』のつく動物は「たぬき」、『か』のつく虫は「カマキリ」でした。で、『た』のつく野菜は何故かこちらの予想(たまねぎ)に反して「だいこん」なのでした。(2003年05月12日)
 
 初月給
初めてのお給料 「障害者スポーツ大会」でなんと金メダルを取りました。初めてです。
 
 今日が初めてのお給料日でした。7000円封筒に入ったのを持って帰ってきました・・・が、お金の価値がわからないサト、私が尋ねる前に封筒から出して私の財布に入れていました。

 お金に興味ないんです。欲しいものがお金で買えるなんて、ちっとも思ってないでしょう。欲しいものは私に「買う〜!」と伝えれば手に入ると思ってます。
 学校で何度も何度も買い物学習しますけど、サトにとってお金はどうでもいい物みたいです。

 ガイドヘルプ

 私の念願のガイドヘルプの契約をしてきました。
 サトは月に30時間(30分300円)のガイドヘルプサービスが受けられます。まだ未成年なので、保護者の自己負担がありますが、7,200円上限ですから、使い応えのあるとてもありがたいサービスです。(上限制は神戸市独自の自慢のサービスなんですって!)

 何に使いたいのか?というと、やはり余暇の充実です。
 サトは1人で遊びに行くとか、行きたいとか全く頭にない子です。こっちがどこかへ連れて行こうと計画し、私たちが一緒に行かなければなりません。
 毎週・・いや、この頃は月1かな?・・のハイキングもお父さんばかりでなく他の人とも行って交流を広げてほしいし、行くところもいつも同じでなく、ウロウロとあてもなくでもいいから、視野を広げて欲しい。
 家族の負担も減らしたいし、本当の自立に向けてのステップを踏ませたい。
 ガイドヘルプはそんな願いを叶えてくれるありがたい福祉サービスです。

 コーディネーターさんとやり取りをして、来月あたりから利用することにしました。まずは慣らしに近場で短時間。須磨水族園あたりでしょうか?
 サトの特徴とかこだわりを知っていただくのに良いと思います。水槽の巡り方を見たらビックリするかしら?

 ヘルパーさんは男女は問わないけれど体力のある方、と希望しました。エネルギーの発散も目的のうちです。
 サトは家族だと甘えて自分本位だけど、他人だとわきまえています。他人とのかかわりを増やしていく事で、社会生活も徐々にステップアップしていってほしいものです。(2003年05月19日)

 ヘルパーさんとのおでかけ報告

 10時から午後2時までの予定で出かけました。
 サトが水族館に行くと、片っ端から水槽をすべて覗きます。気が済むまでやるので、帰りが30分遅くなりました。
 サトはご存知のように早足なので、ヘルパーさんは追いていくのに必死だったとか。でも、ちゃんと先で立ち止まって待っていてくれたそうです。

 目的地ではレストランで食事しました。ちゃんと自分の食べたいものを言いました。このへんはいつもしっかりしています。から揚げカレーを食べたんだそうです。
 その時にジュースをほしがったそうなのですが、その日はジュースかソフトクリームかどちらかにすると約束してあったので、ジュースを我慢したそうです。

 イルカのショーも見ました。水に濡れたくないので、一番後ろの高い所での見物です。心得たものです。

 ヘルパーさんは若い既婚の女性で、この制度ができるまで、こういう経験はなかったそうなんです。それにしてはとても接し方がお上手でした。
 再来週、またご一緒してくださいます。目的なしのぶらぶら散歩でも良いそうなのですが、サトの方はきちんとスケジュールが決まっている方が安心なようですし、これから考えます。

 費用ですが、ヘルパーさんのうちまでの交通費は事業者持ち。活動中の二人の交通費や入場料はこちら持ち。昼食はそれぞれで払います。
 須磨水族園は療育手帳があると本人と介助1名が無料になります。交通機関も市の交通機関を使えば、福祉乗車証があるから免除です。
「アスチルベ」(泡盛草ともいうそうです)

 利用料は30分300円、昨日は4時間半だから2700円を払います。うちの場合、月に7200円までが自己負担、それ以上はいくら使っても不要です。利用は月30時間まで・・使い切れないほどたっぷりあります。
 うちは今のところ余暇活動にしか使う予定がないので、絶対余っちゃうな。

 いずれはハイキングの同行をお願いしようと思っています。山の好きなヘルパーさんも、若い男性もいるそうですから、楽しみ・・
 せんべえさん、ヘルパーさんが若い人なら挨拶するからと言ってました。何と不真面目なやつだ!
 可愛いひとでしたけど、紹介してやりませんでした。 (2003年06月01日)
 
 ベッカム

 朝からベッカム、ベッカムとテレビでやっています。
 サトが時間の確認にじっとテレビを見ているので、聞いてみました。

「ベッカムって何の選手?」
サトの名答・・迷答、「阪神タイガース!!」
 
 母の影響です。しかし、ベッカムがタイガースにいても役にはたたないだろうなぁ・・・(2003年06月19日)




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