リンリンこうちゃん・目次へ

   こうちゃんの画像 リンリン こうちゃん    

その18

作・佐竹弘子  編集・Lee

久しぶりのこうちゃんの登場です。4年生になったこうちゃん、お誕生日にもらったプレゼントは?
また、お兄ちゃんのスポーツマンぶり、フルタイムで仕事をしているお母さんの失敗談もあります。

 

おもな登場人物

こうちゃんの画像 よーすけくんの画像
主人公・次男の皓平くん
(こうへいくん、こうちゃん)  
長男の陽介くん
 (よーすけくん)  
  ママ   パパ
 
 ごぶさたしております。
 自転車に乗るのが大好きな”リンリン こうちゃん”こと皓平もお蔭様で2月で9歳になりました。
 そして4月からは4年生です。ますます元気でわんぱく度がパワーアップです。
 
 お気に入りの2曲
♪なんでだろう なんでだろう 
おどりがうまいのなんでだろう♪

♪なんでだろう なんでだろう ななななんでだろう♪

 皓平の最近のお気に入りは ♪なんでだろう なんでだろう ななななんでだろう
♪もちろん振り付き!思わず笑ってしまう・・・。

 ♪おじいさんと いっしょに チクタク チクタク♪

 いつも大きな声で歌っている。さて、何の歌だろう?とよく聞いてみると ♪大き
な古時計♪だった。
 最近ははっきりと大きな声で歌えるようになり、ところ構わず歌っている。


  
 おおいずみさん、ピロピロ!


  
月に二回、ジャンベ奏者の大泉彰由樹さんにご指導をいただき、親子で手作りしたアフリカン太鼓の練習に精を出している。大泉さんはジャンベだけでなく世界の珍しい楽器も演奏してくれる。
 その影響でリコーダーも大好きな皓平。家でも暇さえあればリコーダーを吹いている。 

    今年も二月にチャレンジアートフェスティバル「アートは障害を越える!障害者による作品発表と舞台発表」という発表の場を得た。
 目立ちたがり屋で本番に強い皓平は、ご想像通り楽しく演奏ができた。 

 お誕生日に・・・


ハム太郎のラーメン丼、れんげ、生ラーメン、チャーシュー、煮卵、メンマのスペシャルラーメンセットワオッ!
 2月5日は皓平のお誕生日。みんなに「おめでとう!」といわれて上機嫌。
 帰りには「ママ。ケーキ、アルル!」と。
 そうなんです。甘いものがあまり好きではない皓平だけれど、”お誕生日=アルル(ケーキ屋さんの名前)のイチゴのケーキ!”という図式ができあがっていたよう。
 家に帰るとイチゴについたクリームをペロペロとなめ、「どうぞ!」と家族にケーキをすすめてくれた。

 そしてうれしいことがもう一つ。いつもお世話になっている学童クラブのお姉さん達がプレゼントを持ってきてくれた。
 プレゼントは、ハム太郎のラーメン丼、れんげ、生ラーメン、チャーシュー、煮卵、メンマのスペシャルラーメンセットだった。あ、あまけにダイエット用のお茶もあったっけ・・・。
 皓平、大喜び!

 次の日に早速ラーメンを作り、ハム太郎の丼で食べた。
 皓平のことをよく考えた、気の利いたプレゼントって本当にうれしいものですね。

   校外学習で

 皓平の通う養護学校では校外学習という、電車やバスに乗りレストランにランチを食べに行くという勉強がある。

 学校からバスに乗り少し離れた駅まで向かう。駅では自分でお金を持ち自動券売機で切符を買う。自動改札を抜ける。きちんと並んで電車に乗る。周りの人の迷惑にならないようにきちんと静かに座ることも重要なポイント。

 そして目的地の駅に着く。予約してあるレストランへ行き、自分で事前に選んでおいたメニューを食べるのだ。皓平が選んだメニューは、チャーシュー麺、メロンソーダ。残さずぺロっと食べたことはご想像の通り。

 たかがこれだけのこと、と思うかもしれない。しかし、この一日を過ごすために学校では事前にダンボール箱で自動券売機を作り切符を買う練習、電車に乗る練習、メニューを見て自分で何を食べるかの確認などの勉強をするそうだ。はじめての場所や環境になじめない子が多いために、養護学校では事前の勉強が大事なのだ。

 そして当日は事前学習の成果が出て、どの子も楽しく一日を過ごせ、またおいしくランチを食べたそうである。

 特に皓平は一人で券売機で切符を買い、自動改札を抜けたことに先生方が驚いた。
 切符をなくさないようにポケットに入れることも忘れなかったそうだ。
 
 その日の連絡帳に「とてもスムーズにできてびっくりしました。家族で電車によく乗るのですか?」と書いてあった。
 いえいえとんでもない。我が家から最寄の駅までは車で20分。バスは一日に6本しか走っておらず、車がないと生活できない地域なのだ。私などは自慢ではないが何年も電車に乗ったことがない。

 皓平は学童クラブで長期休みになると電車やバスを乗りついでよく遠方にでかける。そのときの経験がきちんと身についていたのだ。体験したことを自分のものとして習得し次の機会にも生かせている。とても親だけでは成しえられないうれしい出来事だった。
 学校や学童クラブで貴重な経験を積み、少しずつ皓平の力になっている。
  
 よーこちゃん、かわいい!


 ある参観日、同じクラスの陽子ちゃんのお母さんから
「いつもありがとう。皓平君は陽子のスクールバスが着くのを待っていてくれて 車椅子を押してくれるのよ。」
「え?でも乱暴に押すでしょう?」
「いつもやさしく押してくれるのよ。陽子にもボーイフレンドができたと思ってうれしいわ」と。

 「陽子ちゃんの車椅子押してあげるの?」と聞くと、「うん!よーこちゃん、かわいい!」・・・。なんて親切ものの皓平でしょう。

  祝!陽介、陸上競技会地区大会 幅跳び優勝!!

 その13でも書きましたが、小学6年生になった皓平の自慢のお兄ちゃんの陽介は運動神経が抜群。
 昨年は、陸上競技会の地区大会で5年生ながら健闘し幅跳びで4位になった。しかし、市の大会には3位までしか行けず、陽介は悔しい思いをしていた。

 そして6年生になった今年も幅跳びの選手になった。サッカーの試合で捻挫をし、足をくじきながらも一生懸命に練習した。

 いよいよ当日、見事な記録で優勝した。おめでとう!
 次は市の大会だ。負けず嫌いでがんばり屋の陽介、皓平もとっても喜んでいるよ!!

  パシパシッ!ウ〜〜〜!!

 皓平にだいぶ手がかからなくなったこともあり、昨年の5月からフルタイムで働くようになった。フルタイムだけでも大変だと思っていたが、忙しい職場で月の半分以上は残業の日々が続いている。
 
 そして先日、10時までの残業を終え帰宅を急ぎながら「あ、明日土曜日だけれど、参観日で学校だ!あっ!!陽介がお弁当もちだ!」と思い出した。最近、深夜12時まで開いているスーパーがあるので大急いぎで向かうと・・・
「パシパシッ!」と後ろの車がパッシングをする。何だろう?と思っていると
「ウ〜〜〜!!前の赤い車停まりなさい!」とサイレンが鳴り出した。な、なんと覆面パトカー!!

 「お嬢さん、何キロだしているかわかりますか?制限速度オーバーですよ」
 「”お嬢さん”と言ってくれてうれしいなぁ〜」なんてのんきに思っていたのもつかの間、私はスピード違反で捕まってしまったのだ。

 帰りを急ぐつもりが、逆に遅くなるどころか・・・。反省しきりの晩だった。
 皆さんも制限速度を守りましょうね!!

 「Leeの特別支援教育」    

2003年5月26日