高等部班別作業学習(革工班)学習指導案
筆者が作業学習革工芸班を担当した最後の指導案ですので、多少古いものですが掲載しました。
なお、展開案の文章中に「させる」等をつかっています。見直したい箇所ですが、あえてこのままで掲載します。)
授業の展開 |
革工芸作業配置図 |
日時 | 平成7年2月3日(金) 9:00〜10:30 |
場所 | 革工室 |
指導者 | T1 (筆者) T2 |
1 題材名 「ペンケース、コースター製作」
2 題材について
革工芸は、牛や豚の革に刻印や型などで模様を入れ、染色し、ペンケースやバッグなどの作品を作るものである。革工芸の特色として次のようなことが挙げられる。
以上のような理由で、知的障害のある生徒の作業種として革工芸を導入している。
- 革には、ほつれない、染色がしやすいなどの特徴があり、細工が比較的容易にできる。
- 材料の革や用具として用いるゴム板、木づち、染料などは、安全性が高いものである。また、制作時の作業動作は、「打つ」「ローラーを回す」「塗る」など、初歩的基本的なものであり、技能の習熟が望める。また、「かがる」といった比較的難しい作業動作も、繰り返して行うことにより、習熟が期待できるものである。
- 作品は、日常よく使われるものが制作でき、生徒が親しみを感じることができる。色や模様を変化させることで生徒の興味・関心を引くことができる。また、革は丈夫でこわれにくく生徒が加工するのに適している。
- 商品としては、革は完成度が高ければ高級感を出すことができ、仕上げ方次第で製品としての価値が高くなる。
革工班では本年度、革に模様を入れるために版画用ローラーの使用を導入した。これは、模様の図案を樹脂板や亜鉛版にして、それを版画用ローラーで革にプレスし、模様をつけるものである。模様には「おちゃめな天使」のデザインを作り、1,2学期にペンケースや通帳ケースなどを製作した。3学期には、新しくコースターの型を作り、研究発表会の記念品用のコースターを量産した。型を使うことで、デザイン性の高い模様を自分たちの手でつけることができるので、生徒達は意欲を持って製作している。
本題材では、引き続きコースターを製作するのと平行して、「おちゃめな天使」のマークがついたペンケースを製作していく。コースターは引き続きの製作であり、ペンケースは1学期に作った経験があることから、より完成度の高い作品作りを目指したい。
革工班は1年生3名、2年生3名、3年生2名の計8名、(男子4名、女子4名)で構成されている。うち2名は昨年度から引き続いての経験であり、残る6名は初めての経験である。生徒の詳しい様子は、「生徒のようすと個人目標」に示している。生徒達のそれぞれの特性を生かしながら、励ましあってよい作品を作ることで、仲間と協力して仕事をする喜びを育てたい。
指導にあったっては,一人一人の生徒の特性や技術力を考え、分業体制で指導を進める。全体を大きく、「模様入れ、染色グループ」と「穴開け、レースかがり」グループに分け、二人の指導者が連携をとりながら支援する。報告や質問、ことがかけをすることで、スムーズに作業ができるようにしたい。生徒たちはこれまでの作業経験により、自分の仕事をかなり慣れてきたので、さらに正確な仕事を促したい。ローラーでの模様入れ担当の生徒については、まだ作業経験が多くはないので、まちがえずにきれいに模様が入れられるように指導していきたい。
今回は文化祭のバザーに向けて製品を作るものであるが、年度末の作業としてよりいい製品をたくさん作り、多くの人に買ってもらうことで、ものを作る喜びを育てたい。
3 題材の目標
○分担した作業工程を理解し正確に仕上げることによって、技能面の習熟を図り、よい作品が作れるようになる喜びを育てる。
○文化祭のバザーに向かって作品をたくさん製作し、多くの人に買ってもらい、売り上げを上げるよろこびを育てる。
○友達と教えあい、励ましあってよい作品を作ることで、仲間と協力して仕事をする喜びを育てる。
4 指導計画
- 記念品用コースター製作(500枚) 1月10日〜23日 6コマ[1コマは120分]
- コースター・ペンケース製作 1月24日〜2月15日 7コマ(本時6/7)
- 作品完成(金具つけ・ラッピング) 2月16日 1コマ
- 作業室整理、反省会 2月17日 1コマ
授業の展開 |
革工芸作業配置図 |